齊藤十郎さん

齊藤十郎さん

齊藤十郎さんの工房へお邪魔して、沢山おしゃべりをしてきた。本当に楽しかった。 バカみたいな始まりだけど、簡単にまとめるとこれに尽きる一日だった。

十郎さんは、自分がどう在るか、なぜそうするのかを大切にされている方だ。

だから、必要以上に括らない。物事そのものだけじゃなく、それがある風景や、そこに流れる空気ごと見ているような印象を受けた。そしてその姿勢が、そのまま十郎さんの器に表れているように感じた。さらに「ろくろばかりだとくたびれてしまうから、スリップウェアで息抜きをするんですよ」という言葉を聞いて、なぜ自分が十郎さんのスリップウェアにこんなにも惹かれるのか、その時すとんと腑に落ちた。

また、お昼を食べながら「僕にはこれといった趣味がないんですよ。ああ、強いて言えば、休みの日に妻と犬たちと、2時間かけてアウトレットに行くことくらいかな」と話してくれた。それでも、ときどきラジコンで遊びたくなったり、釣りに行きたくなることもあるらしい。だけどそんなときふと罪悪感が芽生えるのだという。「この時間があればろくろが回せたのにって。……根が真面目なんですね」十郎さんは笑いながらそう言った。

話は尽きず、気づけば夕方になっていた。

先が見えなくても、諦めなければなんとかなる。だけど諦めたらそこで終わってしまう。自分で終わらせる必要はない。

言う人が違えば通りすぎてしまいそうな言葉が、温度のあるメッセージとしてわたしの心にしっかりと響いた。買い付けをさせていただき、帰りに十郎さんおすすめの長浜水産のサンマの丸干しをゲットして帰路につく。

いま、直売所で買った枝豆を茹で、サンマの干物を焼いて、ビールを飲みながらいい気持ちでこれを書いている。

というわけで、近日中にJuro Pottery 齊藤十郎さんの器をアップします。楽しみにしてもらえたらうれしいです。

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