知らない街や久しぶりに訪れる駅に降り立つとき、どこで何を食べるかはとても重要だ。目的以上に大きなテーマになってしまうことだってある。
ところが、何日も前から目星をつけていたお店に到着すると、定休日や満席、行列などの理由で諦めざるを得ないこともよくある。そしてそんな日に限って、他の選択肢を持っていないことが多い。
仕方なく代わりのお店を探す目にはもう、魅力的なお店を探し出す熱は残っておらず、近くの目についたお店に入ることになる。
さらにその日、暑かったり、雨が降っていたり、荷物が多かったりすれば、足は迷わず帰りのホームへ向かう。
家の近所でいつもの店のいつもの味に救われたり、諦めに肩を抱かれ、家に帰って自分で作るなんて日もある。
「天丼、いや……上天丼をひとつ、お願いします」
別の日、諦めが別のチャンスを後押しする。