その50 夢のつづき
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レースのカーテン越しに、縞模様の光が差し込んでいる。ソファで丸くなって眠る猫と、花瓶の上に花房が4つ。ノートパソコンの前に座るわたしのうしろで空気清浄機の表示灯が青く光っている。真っ暗なテレビの画面に、昼下がりの静かな風景が反転している。向こう側からこちらを見つめるわたしは、どんな顔をしているだろう?しばらく眺めていたけれど、暗くて表情はわからなかった。
仕事に戻ると、キーボードを叩く音のあいだで、ソファで眠るぬいちゃんのいびきが一定のリズムを刻んでいた。ぬいちゃんは今日も、18時までここを動かないだろう。午前中に寝床を決めたら、夕方のおやつまで眠り続ける。おやつを貰ったらまた眠る。遊んで眠って、甘えて眠って、ご飯を食べて、トイレに入って、そしてまた眠りにつく。長い夢のつづきに入っていくように、うつらうつらと目を閉じて、すぐにまた穏やかな寝息を立て始めるのだ。猫はだいたい寝ているが、ぬいちゃんは特によく眠る。
それは猫にとって、寝息を立てているだけの時間ではないだろう。猫の日々は、人間同様に眠っている間にも続いていて、それは私たちの見る夢のような時間なのだろうけど、多分もっと遠い世界を生きているのではないかと思う。じゃなきゃおかしいくらい本当によく眠るから。それにいつだって猫は、人の想像を超えてくるから。
窓の外の鳥が迎えに来て、一緒に海の上から魚を狙っているかもしれないし、こまちゃんと一緒に大事な猫会議に出席しているかもしれない。テレビで見た大きなプリンを食べたら美味しくてびっくりしたかもしれないし、飼い主の過去のひとときを横切ってきたかもしれない。 同じ場所で、少しずつ寝相を変えながら穏やかに寝息を立てる猫の姿は、毛むくじゃらで丸っこくて愛くるしいのに幻想的で、期待にも似た好奇心を掻き立てるファンタジーのようだ。